整体観念

滾法先生

2012年11月03日 17:22

なんか急に寒くなってまいりました。

これからの時期は特に首まわり、腰まわりを冷やさないことが肝心です。

1995年春 20代半ばで『推拿(すいな)』に出会い、魅せられ

現在、杵築で中国医学推拿整体小倉養生所を開いています

小倉一彦(おぐらいちひこ)です

公式HPはこちら⇒http://www6.plala.or.jp/ogura-youjou/



今回は中医学で体のしくみについて考える上で一番基本的なところになる
『整体観念』を紹介したいと思います。

本来は自然と人とに於ける整体観念と人体に於ける整体観念とを総合して考えます。
今日は、人の体に於ける整体観念についてのみ紹介します。

この『整体』の意味ですが、日本でいういわゆる"体を整える"といった意味でなく、"整った体"といった意味です。
教科書には『人の身体は臓腑、組織、器官といった構成要素が連絡し合う一つの有機的統一体である』とあります。かなり???なので、少しわかりやすく説明してみます。

人には生きるための様々なシステムが備わっています。
《たとえば、血液を全身くまなく循環させるシステムや消化吸収排泄のシステムなど》
そして、そのシステムを支えるために様々な機能活動が行われます。

ここで、人の身体を一つの『社会』に例えてみます。
そしてその『社会』が止まることなく動いている事で人は生命活動を維持できると考えます。

内臓、いわゆる五臓六腑はその様々な機能活動を担っている『企業』です。
五臓とは、肝・心・脾・肺・腎を指します。
六腑とは、胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦を指します。

その企業の中で、
五臓は、、『営業推進部』とでもいいましょうか、それぞれの機能活動をするための指令を出し実行する部門です。
六腑は、一言で言うと『工場』、一番重要な機能活動である消化吸収排泄が行われる場所になります。

そして、『そこで働く人たち』に当てはまるのが"気血(詳しく言うと"気"と"血"に分けられる)”といって五臓六腑それぞれで働き、各五臓六腑間や各五臓六腑と全身すみずみを行き来することで様々な機能活動を果たします。

気血が全身を行き来するためには、各五臓六腑と全身をつなぐ『道路』が必要です。それが、"経絡"になります。

つまり、"気血"が五臓や六腑で働いて、"経絡"を通って五臓や六腑と全身をくまなく流れることで様々な機能活動が正常に行われる、というわけです。
なので、逆に気血がうまく働かなかったり、気血の流れが滞ったり亢進しすぎたりすると、機能活動がスムーズに行われなくなり、身体の調子が悪くなってしまいます。

ようやく、、ここで経穴(ツボ)の登場です。
体表の経絡上には、"経穴(ツボ)"といって、経絡を流れる気血の流れを調節するポイントがいくつかあります。そのポイントである経穴(ツボ)を刺激して気血の働きを促進させたり、気血の流れを調節することで身体の調子をよくしましょう、というのが推拿や鍼灸の作用原理になるわけです。

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